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躊躇なく顔を埋められ、彼のサラサラの前髪や吐息が肌を掠めて、ビクンと身体が撓る。
敏感な胸の先を、チロチロと動かす舌先に容赦なく攻め立てられ、いやがおうでも腰が跳ねた。
「あ、あ……」
二年近く前、他でもない彼自身から植えつけられた、生まれて初めての官能の痺れ。
今もなお変わらず、ゾクゾクと背筋を昇る。
「とう、塔也、さ……」
堪らず、彼の頭を掻き抱いた。
「好き。塔也さんが、好き……」
喉に引っかからせながら、掠れる声で必死に想いを紡ぐ。
荒い呼吸で途切れ途切れになってしまい、聞き取りづらかったかもしれないけど……。
「っ、く……」
塔也さんはブルッと頭を振って、小さな声を漏らした。
そして、指で、舌で、私に施す愛撫を強めていく。
「俺も……好きだ、長閑。愛してる」
耳元に湿った声で囁かれ、体幹から湧き上がるゾクゾクとした痺れに戦慄いた瞬間。
「あっ……!」
ズシッと存在感のある質量のなにかに、容赦なく身体の中心を貫かれ――ビクンビクンと痙攣して、目の前に星が飛んだ。
「大丈夫か? 落ち着け、長閑」
一瞬呼吸を忘れた私を宥めるように、塔也さんが何度もキスをしてくれる。
「んっ、んんっ……」
「……悪い。動くぞ」
ハッと浅い息を吐いて、性急に腰を動かし始めた。
切羽詰まった様子が、彼らしくない。
どこか無骨に、がむしゃらに求められ――。
「あっ、あああっ……!」
私は、呆気なく理性を飛ばした。
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