510人が本棚に入れています
本棚に追加
「おかえり。今日、検診だったんだよな。どうだった?」
「あっ、うん!順調だって」
「一緒に行きたかったんだけど、どうしても大学行かなきゃいけなくてさー。俺も病院行きたかったな」
家に帰ると、学校に行った筈の春多くんがすでに帰宅していた。
「エコー写真みる?」
「うわ、凄い大きくなってきたな。性別は分かった?」
「男の子だって、ほらこれ」
「ふはっ、すっげーマジうつってるじゃん」
エコー写真にうつる男の子のアレを指差せば、春多くんが面白がって笑い声をあげる。
「…………無事に安定期入ったけど。ちょっと太っちゃったから軽い運動して下さいって言われちゃった」
「俺も運動不足だし一緒に朝か夜歩く?昼間じゃ暑いもんな」
「う、うん」
あれだけ、"安定期"じゃないと……って言ってたのに、何も言わないんだ。
今日の夜、誘ってみようかな。
でも、あからさまにエッチしよう?なんて言えないよ。
戸惑いながらも、春多くんにチラチラと視線を向けてれれば「俺の顔に何かついてる?」と余裕の笑みで返される。
むー。春多くんの場合、私の意図に気付いててわざと言ってそう。
「この後、予定ないよな?」
「う、うん」
まさか、昼からのお誘い──??
「今日はさ……、あんた連れてきたい場所があるんだ」
最初のコメントを投稿しよう!