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3,どんな関係?
「ごめん、ちょっと今日は図書館でレポート仕上げてから帰るから二人とも先に帰っていいよ」
金曜日。四限の講議が終わりいつも通り桜花ちゃんと恵理ちゃんと一緒に帰ろうとし。しかし、あるレポートを仕上げていないことに気づき、一人図書館に向かった。大学の図書館に入り必要な荷物だけを持ち、二階の学習机に向かう。ルーズリーフを一枚取り出し、創作の課題を取り組んでいく。
「書きたいジャンルと世界観、か」
たくさんの本に囲まれたこの場所だとどんなものが書きたいのか、どんな世界の物語にしたいのがどんどん出てくる。それを一つ一つルーズリーフに書き込んでいく。その中から書いてみたいものを選んで、パソコンに打ち込むようにまた新しいルーズリーフを取り出す。すらすらと課題の内容を書き、課題は終わった。時計を見れば五時近くになっていた。講議が終わったころは三時近くだったはず。帰り支度をして図書館を後にし、バスに乗って駅に向かっている最中、彼からメッセージが届いていた。
連絡先を交換してからほぼ毎日のようにメッセージのやり取りはしていた。話の内容はレポートのことだったり、本の話をしたりすることがほとんど。たまに同じ時間帯で講議が終わる時は一緒に帰ることが少しずつ増えていった。課題を提出したかどうかの確認もたまにしている。メッセージもそうだが、会話のやり取りの数が増えていくだけ、心はふわふわと宙に浮く感覚がして落ち着かない。
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