1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
「おーい。誰か助けてくれよー」
人通りの少ない田舎道で、青色の錦を持つ鯉のぼりは、土の上で寝転がっていた。なんでこんな事になってしまったのか、鯉のぼりには分からない。気づいたらここで寝ていたという感じだ。
「いったいどうすれば良いんだろう」
鯉のぼりは対して面白みがない空を見た。ここに来た理由は解らなくても、元いた場所に帰らなくては行けないのは直感で知っていた。しかし、いくら体を動かそうとしても2、3歩で疲れてしまった。そうしている内に、太陽が何回も東から出て、西へと沈んでいった。
「はあ、もしもここが海だったらすぐに帰れたのに」
ある晴れた日の昼に鯉のぼりがため息をつくと、空からカラスがやってきた。
最初のコメントを投稿しよう!