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夕食を終えてから、作業を始めた。缶の上部以外の全てに印刷がある場合、文字を金属に刻めるのか……?
いや、そもそも、印刷越しじゃ金属に直接手を触れていることにはならないのでは?
仕方ない、握る部分の一部だけでもヤスリがけするか。ビタミン飲料は、底側の1ミリ程度とは言え、金属に触れながら作業していた筈。
まあ、魔力が電力みたいなものなら、印刷位……いや、電力と考えたら考えたで、缶がアルミかスチールかで変わりそうだな。いや、そもそも金属と称される物質の範囲は広い。だが、大体は導体だろう、多分。
そうと決まれば、買ったけど使わなかったヤスリの出番だ。私物限定とは言え、こちら側に召喚出来たのは幸いだった。
「文字を刻む際に指先の触れる箇所」の印刷を剥がす。細かい粉は、魔法でその内綺麗になるから放置。本と缶を交互に見ながら文字を刻む。
文字を刻むのに、もう少し握りやすい道具も欲しいところだ。一字一字刻み込み、全てを終えたことろで一息つく。そして、缶をテーブルに置く。
コップを用意したら、既に成功したビタミン飲料を注いで飲む。うん、疲れた時の酸っぱい飲み物は効く。
さて、実験第2段。ローリングストックしていた中で、期限に一番近い野菜ジュース。ギフト解体セールのレア缶ジュースは、失敗したら勿体ない心理が働いた。
まあ、野菜ジュース缶を実験第2段にした一番の理由は、期限の近さだけど。さて、ビタミン飲料の時は、印刷の上から魔力を注いでも問題は無かった。野菜ジュース缶は果たしてどうなるか?
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