7人が本棚に入れています
本棚に追加
力強く頷いて、サルもだんごを持つ腕を持ち上げた。
「あぁ。これでようやく、鬼の野郎どもに燃やされた里の連中の仇が討てる」
イヌも同じようにだんごを掲げる。
「あたしのかわいい子供たち。空の上から母ちゃんを見守っていてね」
キジは踊りの振り付けのように両手を伸ばした。
「劇団のみんな。先生。きみたちの分までぼくは踊るよ」
桜の花びらが降り注ぐ。
鬼を討つために集った彼らのあいだには、目には見えない強固な絆が出来上がっていた。口に出さずとも互いに互いを信頼している。それゆえに生まれる安定感が、敵の本丸を前にしても揺るがない自信に繋がっていた。
「勝とう。ぼくらの未来を掴むんだ」
仲間たちと最後のきびだんごを頬張った。
最初のコメントを投稿しよう!