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 切っ掛けは酷いものだったか、あのアクシデントがなければ、自分の本質を知ることすらなかったかも知れない。  もちろん、慶太郎を介してヘドニス子とHaLとして出会って進む可能性がなかった訳ではないが、それだとこうはなからなかった気がする。  色々と考え事を巡らせているうちに、悠仁も瞼が重くなって、次に目を開けた時には、カーテンの隙間から明るい日差しが差し込んでいた。 「あ、起きた?おはよ」 「ん……おはよ。いま何時?」 「まだ7時半だよ」  先に起きていた絋亮は既に着替えを済ませていて、スマホから視線を外してソファーからベッドに居る悠仁を見つめている。 「まだそんな時間なんだな。今日はどうする?行きたいところあるなら観光して回るか」 「平日だし混んでないだろうから、テーマパークとか水族館に行きたいかな」 「よし。じゃあ朝食済ませたら、すぐチェックアウトして出掛けようか。お前、脚はどうなの」 「だいぶ楽になってきてるよ。杖なくても踏ん張れる」 「そっか。でもまあ、あんまり無理はダメだぞ」 「おっけー」  悠仁はベッドから起き上がって絋亮とキスをすると、そのままバスルームに向かって顔を洗い歯を磨き、昨夜乾かさずに寝てしまってボサボサの髪を整えると、髭を剃ってから着替えを済ませて荷物をまとめる。 「なあ絋亮」 「どうしたの」 「食べたらすぐチェックアウトできるように、荷物持って出ようか」 「そうだね。俺はもう荷物まとめてあるよ」 「そうか。じゃあ食べに行こうか」  モーニングビュッフェでお腹を満たすと、そのままチェックアウトを済ませてホテルを出た。 「レンタカー借りて移動するとして、水族館から行って、テーマパークの近くのホテルに泊まろうか」 「そしたら遅くまで遊べるもんね」 「夜もショーとかあるんだろ?それなりに混むかな」 「土日ほどではないだろうし、多分大丈夫でしょ」  すぐに今日泊まるホテルを予約すると、レンタカーを手配してドライブしながら水族館に向かうことにした。
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