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「はあぁぁああ。なんだろね、この自宅が一番寛げると思う感じのやつ」  帰宅するなりソファーにだらりと座って、絋亮は思い切り体を伸ばす。 「なんだかんだで、1週間出突っ張りだったからじゃないか?温泉行って、お前の実家に挨拶に行って、その後俺の実家と向こうで観光だろ。そりゃ疲れも出るよ」  バッグの中身を洗濯機で回してバスルームからリビングにやってきた悠仁が、コーヒーでも飲もうかとケトルでお湯を沸かす。 「全部楽しかったし、疲れなんか溜まってない感じするけど不思議だよね」 「それなり気を張ってたんじゃないか?それで、脚の方は病院も問題ないって話なんだろ」 「うん。松葉杖使わなくて平気ならもういいって。筋力落ちてるだろうから、転ばないようにしろって言われた」 「そうか。回復に向かってるなら良かったじゃないか」  淹れたてのコーヒーにたっぷりと牛乳を注ぐと、甘めに作ったカフェオレを持ってソファーに座る。 「ん。甘い、珍しい」 「たまには良いかと思ってね」  肩を寄せ合ってカフェオレを飲むと、残りの休みはゆっくり過ごそうと、意外と疲れてしまったと苦笑いしながら旅行を振り返る。  色々と写真を撮ったが、絋亮がせっかくだからプリントアウトして残しておきたいと言うので、データを見ながらどれにするか選ぶ。  二人で一緒に写っているものが少ないので、できるだけふざけてないものを選ぼうとするが、どれを見ても大抵ふざけた顔しかしていない。 「マジでこの中から選ぶのか」 「全部顔がバカっぽいの、ホント笑う」 「お前が変なタイミングでシャッター押すからだろ」 「だって、普通に撮っても面白くないじゃん。あ、これよくない?」 「いやお前はいいけど、俺白目むいてるじゃないか、これ」 「あはは。だからいいんだよ」 「よくないだろ!?」  可笑しくてお腹を抱えながら、お互いのスマホを見比べて気に入った写真をいくつか選ぶと、タブレットにデータを移動させる。
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