37-2

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 家族は寝静まったのか家の造りの問題か、異様に静かな部屋の中、布団の中で押し殺した息遣いと、ぐちゅりと湿った水音が聴覚を刺激する。 「んふっ」  溢れる唾液を指に纏わせて後孔を刺激すると、堪らずに絋亮が甘い息を漏らす。  仕返しとばかりに、見た目にそぐわない骨張ってしっかりとした悠仁の後孔に挿し込まれる。  久々に受け入れた指先は、焦らすように浅瀬を行き来して、悠仁は思わず腰を揺らす。  迫り上がってきた感覚が消えないうちに昂りから口を離すと、悠仁は唇に指を当てて静かにするように絋亮にジェスチャーする。  そのまま咥えた指で自らの後孔をゆっくりとほぐすと、絋亮に跨る姿勢をとってゆっくりと身体を沈めて硬く熱り立った昂りを奥に咥え込む。 「んっ……はあ……」  静かに身体を倒して絋亮にキスをすると、跨ったまま腰を揺らして抽挿を誘う。 「どうしたの、凄い積極的」 「久しぶりだから抱きたいんだろ」 「久しぶりに抱かれる気分は?」 「分かるだろ」  後孔がキュッと締まって、快楽と苦悶の混じった表情を浮かべながら悠仁は腰を捩る。 「そんなにしたら保たないよ。動いていい?」 「好きにしろよ」  声が漏れないように深い口付けで舌を絡めると、下から突き上げるように絋亮が一気に抽挿を速めて奥を穿つ。 「ふっ、んん」  鼻から抜ける息は乱れて、腰から脳天までを迫り上がるような快楽の波が悠仁の身体を掻き乱す。 「んっ、奥が熱くて気持ち良すぎる。も、イキそう」 「俺もイキたい」  奥を挿し貫いたまま体勢を変えると、今度は絋亮が悠仁を押し倒すように膝立ちになる。  脚を持ち上げてさっきよりも深く、奥の一箇所をピンポイントで擦ると、少し柔くなった昂りを握り込んで一気に扱く。 「はぁっ、んん」 「気持ちいい?」 「やば……奥、奥が」 「ん。一緒イこ」  耳元に囁いて啄むキスをすると、奥まで抉るように激しく抽挿しながら器用に屹立を刺激して、絋亮が悠仁を責め立てる。 「んっ、あぁ、も……出る、イク」  鈍い水音が跳ねると、先に悠仁が大きく身体を震わせて背をしならせる。  声が漏れ出ないように激しいキスで舌を絡め取ると、達している最中の悠仁をさらに責め立てて、絋亮はようやく最奥に楔を打ち込み熱を爆ぜさせる。  溜まりに溜まった熱を全て残さずに吐き出すように、吐精しながら更に腰を二、三度打ち付けて腰をびくりと震わせて果てる。
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