40-1

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 テーマパークのすぐそばのホテルにチェックインしたのは20時を過ぎた頃になっていた。 「あれだけ歩き回ったから、さすがに脚が棒になった」 「それはお前が松葉杖を車に忘れたからだろ」 「でも杖なくても不自由はなかったから、結果オーライだね。めちゃくちゃ楽しかった」 「またアホほど写真撮ってたもんな」 「たくさん思い出が残ってる方がいいでしょ」  ベッドに寝転びながら、スマホを眺めてこの写真の顔は笑えると絋亮が楽しそうに呟く。 「しかし土産で荷物が増えたな。明日は昼の飛行機だから、今のうちに荷物まとめとけよ」 「持ち帰りじゃなくて配送すれば良かったね」 「元々の荷物が少なかったからな。まあでも許容範囲だろ。風呂どうする?」 「いやーん。大胆なお誘い」 「……バカか。お湯貯めるのかって聞いてるんだよ」  絋亮の頭を叩いて舌を出すと、ゆっくり浸かって体を休めるのも大事だろと悠仁はベッドから立ち上がる。  バスルームに移動してお湯を貯めると、いつの間にか背後に立っていた絋亮に思い切り抱きしめられる。 「うわっ、なんだよ」 「好きを持て余してる」 「なんだそれ」  呆れるように呟きながらも、振り返って抱きしめ返してすぐにキスをする。 「んんっ」  くぐもった絋亮の甘い吐息を聞くと、啄んでいた唇に吸い付くように下唇を舐め、そのまま舌を口腔に挿し込む。  くちゅりと鈍い水音が跳ねると、お互いの舌を絡め合いながら、背を抱く腕が弄るように動き始める。 「ふぅっ、ん」  デニムの上から硬く主張し始めた昂りに触れると、絋亮は腰を捩って甘い息を吐き、同じように燻る悠仁の熱に触れると、ベルトのバックルに指先が伸びる。 「ちょっと待て。待てって」 「なあに、どしたの」  キスしてじゃれながら尋ねてくる絋亮に、改めてちょっと待ってと言って距離を取ると、ゴムがないから買ってくると悠仁が返す。 「お風呂だし大丈夫だよ」 「そう言って風呂だけで満足したことあるのか」 「んー。ないね」  可笑しそうに笑って絋亮がようやく体を離す。  一旦部屋に戻って火照りが治まるのを待ってから、スマホと財布、部屋のキーを持つと悠仁は一人で部屋を出る。
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