2.関係、微かな疑心

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side/颯夏 「りっつかー!」 教室に着くなり飛び付いてきたのは、女友達のサナ。 「どーしたの?いつもなら遅刻ギリギリなのに、今日は早いじゃん♡」 「ほっとけよ」 「そーいえば、今日は幼なじみたちと居ないの?」 「んー…ちょっと個人的な用があったから?」 「個人的な用ってナニよ?やらしーなぁ〜?♡」 「そういうお前がいちばんやらしいわ」 鞄を机の横に掛けて、椅子に座る。 「…ねぇ、颯夏。いつものとこ行こうよ」 サナが後ろから抱きついて囁いた。 「まだ人少ないし…いいでしょ?」 サナの手が首筋に触れようとした時、ガラッと教室のドアが開いて入ってきたのは陽愛だった。 「…」 こっちを見て一瞬だけ目を見張った陽愛は、ぷいっと視線を外して自分の席へと向かう。 意地でもこっちを振り返らないつもりなのか、全力でそっぽを向いている。 (…かーわい♡) 意識してるのがバレバレで、思わずニヤついてしまう。 「ねぇ、颯夏ってばぁ」 サナが痺れを切らしたように揺すってくる。 「あーオレ、もうそういうのいいわ。早く教室帰れ」 「な?!」 驚いてるサナの腕を離し、教室へ帰るように背中を押す。 「ひどい!颯夏のバーカ!」 サナは捨て台詞を吐いて教室へと帰って行った。 (ま、今日はさすがに陽愛は口を利いてくれないだろうな) そう思いつつポケットからスマホを出してゲームのログインをしていると、目の前にスッと誰かが立った。
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