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「お前、菜月と付き合ったんだろ?なら、陽愛の心配なんてしてる場合じゃないだろ」
「はぐらかすな。答えろ」
敢えてオレの口から言わせようとするあたり、何か確信してるんだろうか。
「そーいう過保護なの、どうかと思うぜ?陽愛はそんなの望んでないと思うけど。お前が誰と付き合おうがオレには知ったことじゃないけど、少しは周りのこと気にした方がいーんじゃねぇの?」
「は…?」
「お前の行動一つで傷付く奴もいるって事だよ。ていうかスマホ返せ」
「お前が質問に答えればな。陽愛の様子がおかしいのはお前のせいか?」
「まだ訊くのかよ。…ったく、オレのせいってのが前提かよ…」
正直に昨日のことを言ったところで、こいつがオレに何をしでかすかは分からない。
…まぁ、適当に誤魔化しておくとするか。
「昨日、陽愛が気分悪いっていうから介抱してたんだよ」
「介抱…?介抱するだけなら、昨日の格好はなんだ」
「は?格好?普通に服着てたけど。お前、なんか勘違いしてんじゃね?とにかくオレは答えたんだから、スマホ返せ」
手を伸ばすと、冬弥は仕方なくスマホを返してきた。
「とりあえず、お前らイチャつくなら空気読めよな」
それだけ言って、冬弥を残して屋上を出る。
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