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「っや…颯夏…!」
一度は抵抗したものの、適わずもう一度キスで塞がれる。
「っふ、あ…」
触れるだけだったキスが徐々に深くなり、颯夏が舌を絡めてくる。
慣れないキスに頭が痺れたようにぼんやりしてきた。
「…っ陽愛…」
キスの合間、吐息混じりに颯夏が名前を呼ぶ。
それだけで、身体がびくっと震えた。
…こんな颯夏、知らない。
まるで甘い蜂蜜を溶かしたような、優しくて甘い声で私の名前を呼ぶなんて。
「…んっ、ふ…」
身体が溶けたみたいに熱くて、ふわふわして、立っていられない…。
「陽愛」
颯夏はキスしたまま、私をゆっくりとベッドに押し倒していく。
「っ…ん…」
唇がじんじん痺れてくる。
こんなキス、されたことない…。
「…陽愛」
濡れた唇で颯夏がさっきの甘い声音で私を呼ぶ。
「陽愛、お前が好きだ…。ずっと、好きだったんだ」
その声に、甘い痺れが身体中を走る。
「望みなんてないって分かってた。でも、冬弥が菜月と付き合うならもう遠慮なんてしない」
「颯…夏…?」
「オレのものになって、陽愛───…」
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