1.涙の痛み

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「っや…颯夏…!」 一度は抵抗したものの、適わずもう一度キスで塞がれる。 「っふ、あ…」 触れるだけだったキスが徐々に深くなり、颯夏が舌を絡めてくる。 慣れないキスに頭が痺れたようにぼんやりしてきた。 「…っ陽愛…」 キスの合間、吐息混じりに颯夏が名前を呼ぶ。 それだけで、身体がびくっと震えた。 …こんな颯夏、知らない。 まるで甘い蜂蜜を溶かしたような、優しくて甘い声で私の名前を呼ぶなんて。 「…んっ、ふ…」 身体が溶けたみたいに熱くて、ふわふわして、立っていられない…。 「陽愛」 颯夏はキスしたまま、私をゆっくりとベッドに押し倒していく。 「っ…ん…」 唇がじんじん痺れてくる。 こんなキス、されたことない…。 「…陽愛」 濡れた唇で颯夏がさっきの甘い声音で私を呼ぶ。 「陽愛、お前が好きだ…。ずっと、好きだったんだ」 その声に、甘い痺れが身体中を走る。 「望みなんてないって分かってた。でも、冬弥が菜月と付き合うならもう遠慮なんてしない」 「颯…夏…?」 「オレのものになって、陽愛───…」
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