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1.涙の痛み
「…え?今…なんて?」
一瞬耳を疑った。
何かの聞き間違いなのかな。
「だから〜!あたしね、冬弥と付き合うことになったの!ほんとに好きだったから嬉しいな〜♡」
親友の神崎菜月が嬉しそうに微笑んでいる。
どういう顔をすればいいのか迷っていると、そばに居た幼なじみの三澤冬弥と目が合う。
(ほんとに…?冬弥と…?)
胸がざわざわする。
そんな私の気持ちを知らずか、菜月がこそっと耳打ちしてくる。
「これからデートしてくれるって♡」
私だって、冬弥が好きなのに…。
なのに、なんで…。
「…そ、そっかぁ、おめでとう!」
そんなの、心から喜べないよ───…。
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