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三島さんの話はこうだった。
長澤夫妻と食事をしながらの話の中には、
亡くなった奥さんの話も出たそうだ。
三年ほど前に病気で亡くなった事、奥さんとの共通の趣味、
いろんな思い出。そんな話を聞かせていると、
しんみりと信彦さんが言ったそうだ。
夢の中ででも会えたら嬉しいでしょうね、と。
三島さんは、静かに肯きながら、そうなったらいいな、と
心の中で呟いたそうだ。
照美さんも、きっと会えますよ、と声をかけてくれたそうだ。
その時の声が、とても力強く、まるで本当にそうなると
言ってくれているように耳の中に響きわたったという。
その夜。床に入ってもなかなか眠れず、長澤夫妻の言ったように
夢で逢えたらいいなと考えていたら急に眠気がやってきて、
そのまま眠ったらしかった。が、かすかな振動なのかなんなのか、
突然目が覚めた。すると、得体のしれない何かに
部屋中が取り巻かれているような、妙な感じがしたという。
そして次の瞬間、襖のほうから誰かがすっと部屋に入ってきた気配を感じ、
身を固くしていると、横になっている自分の顔に誰かの顔が近づいてきた。
そして懐かしい声が聞こえてきた。死んだ奥さんの声だったそうだ。
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