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「へえ、それって結構ロマンティックな話しだよねえ?
死んだ奥さんと再会・・映画とかでよくあるじゃない?
死んだはずの人が現れて再び一緒に暮らすとかさ」
パソコンの画面の中の志穂が、柔らかそうな髪を指でかき分けながら
尚樹にまっすぐな視線を向けた。
久しぶりに顔を見て話をすると、なんだか照れ臭く感じる。
目の前にいるのだが触れることはできず、何のごまかしもできない
緊張感がかえって尚樹を饒舌にした。
互いの体調を確認した後、三島さんの体験談を
興奮した口調で話して聞かせた。
だが志穂は意外と冷静で、
その手のファンタジーものの小説や映画を引き合いに出した。
「確かに最近はそういう内容の映画とか小説とか多いけどさ。
でももしも自分が体験出来たら相当興奮すると思うんだけどなぁ」
尚樹のトーンが少し下がる。
「そうね・・自分にとってものすごく大切な人に亡くなった後でも
会えたとしたら・・うん、やっぱり相手によるわね」
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