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まず私たちの事を話します。
私も照美も、霊が見えるんです。ごくたまに周りにいたりしませんか?
見えるっていう人が。その類の人間です。
私と照美の出会いは最初の頃に話したと思いますが、
そう、旅先で出会って、偶然同じ大学だったっていう。
それが意気投合のきっかけではありますが、お互い見える人だったというのも打ち解けていったきっかけです。わかるんですよ、こういう人種って。
この人も自分と同じだなって。二回目のデートの時に聞いてみました。
もしやあなたも?って。そしたら実はって。
私もそうだというと彼女は、そうだと思った、と笑いました。
見えることが苦しい時もありますが、見えてしまうのだから仕方ない。
でも互いの気持ちを理解しあえるから、割と楽です。
そんな私たち夫婦は、頼られてしまう事があります。もちろん、霊に。
何もしてあげられないのですが、せめて話くらいは聞いてあげられる・・
だいたいは未練を残して亡くなった人たちです。そう、未練、程度。
恨みとか無念とか、この世への強い執着までは残していないといったら
わかりやすいでしょうか。
ああ、もう一回酒を飲みたかったなぁ、あの店に行きたかったなぁ、とか。
そして誰かにちょっとした愚痴をこぼしたい。気持ちを喋れば気が済む。
その程度、といったら失礼かもしれないですが。
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