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「ごめんね、重いでしょ……降りるから」
「っ……ダメです。このままここにいてください」
「あっ……んっ……!?」
オレの膝の上に乗っていた先輩が降りようとしたが、オレはそのまま先輩のことを抱きしめるようにして離さない。そして、目の前にあった先輩の唇を激しく奪い始めた。
先輩の目が見開き、驚いたような表情になる。しかし、それでもオレは先輩の唇を奪うことを止めず、ひたすらに先輩の感触を貪っていた。
「んっ、あぁっ……!? んっ、んぅっ!? ダメっ、涼介くんっ!? これ以上は、ダメっ!?」
「すみません、先輩……我慢出来なくなってしまいました。先輩が悪いんですよ……? あの頃と変わらずに、優しくて綺麗な先輩のままでいるのが悪いんです」
「んっ、んちゅっ……!? あっ、舌っ入ってくる……!? んっ、んんぅぅっ!?」
先輩の唇の中に無理矢理舌を捻じ込んでいくと、先輩の唾液が一気に舌先に絡みついてくる。息も絶え絶えになりつつあった先輩の口からは、とてもイヤらしい声が漏れ始めていた。必死に声が出ないように我慢している中で時折漏れ出てくる声が、先輩の卑猥さを更に掻き立てていた。
「ダメっ、これ以上は、本当にっ……!? 手、握ってて……!? 涼介くん、涼介くんっ!?」
「っ、先輩……!!」
この場の雰囲気に飲まれたのか、最後は先輩も自ら舌先をオレの口の中に捩じ込んでくる。お互いの舌が激しく絡み合い、辺りに大きな水音が響いていく。
先輩の両手を握りしめ、オレは先輩の感触を必死に全身で感じ取っていた。
「んぁぁっ、はぁっ、はぁっ……も、もうダメ……」
「先輩……すみませんでした。あのとき、先輩に声を掛けられなくて」
「そんなことない……そんなことないわ」
荒々しく呼吸を繰り返した先輩は、オレに体重をゆっくりと預けてくる。あの日のことを先輩に謝ると、先輩はゆっくりとオレの背中に手を回してきた。
「涼介くんが今、私の目の前にいる……それだけでも十分嬉しいの。今はそれだけで良いの……大好きよ、涼介くん。あのときも、今も……ずっと大好きよ」
「先輩……オレも先輩のこと、大好きですよ」
お互いの気持ちを確かめ合い、オレたちは最後にもう一度唇を重ね合わせた。
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