1.偽りの優等生

3/28
86人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
俺が5歳の時、両親が離婚したーー。 原因は父さんの不倫。 俺と母さんは捨てられたってわけだ。 毎日母さんは泣いて過ごしていたが、ある日突然笑顔になった。 知らない男の人が家に来るようになったことをキッカケに…。 母「これあげるから外で遊んでなさい。」 母さんは毎回俺に1000円札を差し出した。 初めはお金がもらえることに喜んだ俺だったけど、それが何回も…、何年も続くと、ある日気づいてしまった。 これは『邪魔な俺を外に出す作戦』だって。 母さんは俺よりあの男の方が大切ってことだ。 俺は父さんにも母さんにも大切にされない、価値のない人間…。 それからは、可哀想だとか、哀れみの目で見られないように、必死に自分を偽って生きてきた。 わざと明るい優等生を演じて…。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!