1.偽りの優等生

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桃瀬ひかりに出会ったのは、中学一年の時だったーー。 ひかり「桃瀬ひかりです!よろしくお願いします!」 アイツは、教育実習生として俺の前に現れた。 教育実習生というのは、ただそれだけで人気になるものだが、桃瀬ひかりは美人で親しみやすい人柄だったことから、生徒からかなり評判が良かった。 俺にとってはどうでもいい存在だったが、優等生を演じていた俺は、きちんと桃瀬ひかりにも笑顔で対応した。 たった一ヶ月の付き合いだ。 無難にやり過ごせばそれで良いと思っていた。 実習期間が1週間を過ぎたある日の放課後ーー。 分からない問題を質問した職員室からの帰り道、俺は桃瀬ひかりと鉢合わせした。 斗真「あっ、先生、さようなら。」 笑顔を作って小さくお辞儀をし、通り過ぎようとしたその時、まさかの出来事が起こった。
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