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数秒なら我慢できる腹筋で(首だけ持ち上げるのが精一杯だから、他人から見たら仰向けに寝ているようにしか見えない)あたしは自分のお腹の辺りを見た。
なんのことはない。左右から互い違いに合計二本の腕がそれぞれあたしのお腹の上に乗っていて、それで圧迫されたように感じていたのだった。
左から乗っかっていた方は津雪の腕。
右からまとわりついていたのは蒼くんの。
それらをそうっとあたしの腹の上からどかして、あたしは両隣ですやすやと寝ているイケメン二人を押し潰さないように気をつけながらベッドを降りた。
部屋の中はこれでもか、というくらいに冷房でキンキンに冷やしてある。
あの夜以降この二人は容赦なく人のベッドで眠るようになったせいで暑くて仕方ないからだ。
あたしが寝てる間に薬を塗りたくっていたのがバレたのをきっかけに、「もぉ、バレたんだから俺たちわざわざ姉貴のクローゼットに隠れてることなくね?」とすっかり居直り、就寝時にはなんの躊躇もなくあたしのベッドに入り込んでくるようになったのだ。
蒼くんまで、当然のごとく一緒に横になるのにはちょっと戸惑ったんだけど……。
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