2・コンビニの麗人

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 ちょうどその時、雑巾片手に近づいてきた店員さんに「あとはこちらで掃除しますんで」と声をかけられあたしたちは二人してコンビニを出た。 一緒に店を出たのは、彼が私の左手を握ったまま離さなかったせいだ。  彼はコンビニ横にある公園にあたしを引っ張っていく。 (うぉー……)とあたしは心の中で意味不明な雄叫びをあげていた。  だって、ずっと憧れてこっそり見守っていたはずの彼に腕を掴まれている! 有無を言わせずって感じが少女漫画みたいで……ときめかなかったらおかしいでしょ、これは! 夢現のまま連れていかれたのは公園のベンチだった。 「座って」 と肩を押され言われるまま素直に座る。  すると彼は私をそこに残してどこかへ行ってしまった。  一人になったあたしはそろそろとお尻を動かして浅めに座ることにした。 だって公共のベンチだもん。壊れるわけないと思う。けど、もしこのベンチがあたしの体重に負けて壊れたら。 恥ずかしすぎて切腹するしかないじゃん。  そのうち戻ってきた彼は、さっきとは別のハンカチを手にしていた。 (イケメンって、何枚もハンカチを持ってるもんなのねー) とぼんやり考えた。
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