3・嫌な男

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 スタイルが良くて背も高くて綺麗な人なんだけど、舌ったらずな口調なのとこれでもかってでかいバラ柄のスーツを着ているところが……まともじゃない。  あたしの後ろからドアの外に顔を覗かせていた蒼くんが「げぇっ」と小さく声を上げ部屋の中にひっこむ。 その後の彼女の行動の素早さは妖怪並みだった。ヒュンって勢いであっという間にあたしたちのドアの近くに立ってたんだもの。 あんまりびっくりして動けないでいたら、蒼くんに襟首を掴まれドアを閉められた。 直後、うちのドアがドンドンと音を立てた。 「開けなさいっ。ここにいるのは分かってますっ」  外にいるあの女が叩いているのだ。 (なんなのー? 誰あのイカれ女っ)  彼女があんまり強くドアを叩くのであたしは心配になってきた。  ご近所迷惑かも……って言うのもだけど、うちのドア、壊れないよねっ!?  あたしと蒼くんの二人が玄関の内側で青ざめてぶるぶる震えていると麗しの君が私たちのところまでやってきた。 「ちょっと今出られる状態じゃないよ」 とあたしが言うと、麗しの君は困ったように微笑んでから蒼くんの二の腕をツンツンと突いた。 「何?」
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