3・嫌な男

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次の日、目を覚ましたあたしは、新しい朝にふさわしい決意をした。つまり何を決意したかと言うと、「働くぞ!」と言うことである。  昨日は花水木先生と同じマンションと知って急にテンションが上がった反動からその後めちゃくちゃ気分が落ち込んでほぼ生ける屍になって一日過ごしたけれど……。 (うん、でももう今日は昨日と違う私の始まりの日だから!)  何が「うん」で、どうして「!」をつけるのか謎テンションだけど、カーテンを開けたらいい天気だったからなんとなく気分が良くなった。多分ぐっすり長時間眠ったのがよかったんだろう。私はそのアゲアゲな気分の勢いでジョギングのためにいつものコンビニに立ち寄った。麗しの君、三上さんがいつもの場所でコーヒーを飲みながら私に向かって手を振ってくれたのでますますいい気分になる。 そしてその勢いのまま履歴書を買い、蒼くんに写真を撮ってもらって(写真はうちのプリンターで印刷した)その足でコンビニに提出した。何って? 履歴書を。だってバイト募集中って張り紙してあったし。  コンビニから連絡が来て面接に行ったのはその三日後だった。 「で、その歳でやりたい事ないの? 堀影さんは」
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