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コートの中央に走っていく咲也。メンバーとしてそこにいるマッキー、こと、槙村圭佑が微笑んで咲也の肩を叩いていて、二人が同じコートで味方として組むところを初めて見ることができる。
槙村圭佑は、一つ年上で全日本の選手にも選ばれて活躍している咲也の先輩だ。彼の勧めもあって、この大学にしたんだ。←ムカつく!
彼は少し濃いめのイケメン。咲也は身長178だけど、彼は180あるらしい。
因みに、あたしは彼のことを「マッキー」と呼んでいる。まあ、そんなに悪い奴ではない。
そのマッキーがあたしに気づいて咲也の肩を突っつくと、ニヤニヤ笑いながらあたしを指差した。咲也はすぐに振り向いて顔を上げてこっちを見ると、やっとそこであたしと目が合った。
やば!!
この瞬間、堪んない!
なのに周りの人たちが、
「こっち見てる?!」
「目があった?!」
と騒いでいるけど、勿論そんなものも、無視!
あたしはニコッと笑って、
「咲也ーーー!!」
と思わず大きな声で叫ぶと、咲也も右手を上げて、嬉しそうに笑ってくれた。
か、
か……、
「カッコいーーーーーッッ!!」
と叫ぶのは、周りの女たち。
…うるさい!!!
あたしはギュッと胸が締め付けられたけど、やっぱり、あの笑顔。好きなんだよねぇ。
声には出さず、唇だけで『ダイスキ!』と言ってみる。と、咲也にも分かったのか、ニッコリ笑ってあたしを見つめながら、唇を親指で軽く拭ってからあたしを指差した。
う、うひゃあっっー!!←悶絶
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