第1章 春・乱・漫!

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コートの中央に走っていく咲也。メンバーとしてそこにいるマッキー、こと、槙村(まきむら)圭佑(けいすけ)が微笑んで咲也の肩を叩いていて、二人が同じコートで味方として組むところを初めて見ることができる。 槙村圭佑は、一つ年上で全日本の選手にも選ばれて活躍している咲也の先輩だ。彼の勧めもあって、この大学にしたんだ。←ムカつく! 彼は少し濃いめのイケメン。咲也は身長178だけど、彼は180あるらしい。 因みに、あたしは彼のことを「マッキー」と呼んでいる。まあ、そんなに悪い奴ではない。 そのマッキーがあたしに気づいて咲也の肩を突っつくと、ニヤニヤ笑いながらあたしを指差した。咲也はすぐに振り向いて顔を上げてこっちを見ると、やっとそこであたしと目が合った。 やば!! この瞬間、堪んない! なのに周りの人たちが、 「こっち見てる?!」 「目があった?!」 と騒いでいるけど、勿論そんなものも、無視! あたしはニコッと笑って、 「咲也ーーー!!」 と思わず大きな声で叫ぶと、咲也も右手を上げて、嬉しそうに笑ってくれた。 か、 か……、 「カッコいーーーーーッッ!!」 と叫ぶのは、周りの女たち。 …うるさい!!! あたしはギュッと胸が締め付けられたけど、やっぱり、あの笑顔。好きなんだよねぇ。 声には出さず、唇だけで『ダイスキ!』と言ってみる。と、咲也にも分かったのか、ニッコリ笑ってあたしを見つめながら、唇を親指で軽く拭ってからあたしを指差した。 う、うひゃあっっー!!←悶絶
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