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試合を見ろーって言いたいのかな?
あははは。
ごめんごめん!
「あいつ、相変わらずだよなぁ」
琉路は隣で楽しそうにクスクス笑って、また、手すりに肘をついて身を乗り出していた。
人ごとかよ!!
*
試合が終わって、大差で咲也たちの大学の勝利が決まると、観客は今日一番の歓声を上げて喝采を送っていた。その後、選手たちが応援席にやってきて、改めて新入生の自己紹介が始まった。バスケ部員一人一人挨拶していって、女の子たちが咲也を見てギャーギャー騒ぎまくっていると、咲也があたしを見て、
「光莉ー!!」
と叫んで大きく手を振った。あたしはそんな咲也を見て思わず「ゲッ?!」と呟くと、驚いて硬直してしまった。そこにいる女子たちが、みんなあたしをギロッと睨みつけてくる。あたしはもう、そっちを見れない。
怖い。やだ。女、怖い…!!
「ひーかーりーーー!!」
咲也は構わずにそう叫ぶと、あたしはウッと思いながら、とりあえずコクコクと頷いてみせた。
「光莉ー!!浮気しようぜ!!」
そんな馬鹿なことを言うのは、マッキーだ。あたしは思わずマッキーを睨みつけると、マッキーはあたしを見て、
「めちゃおこー!!」
と言いながらあたしを指差して笑っている。
あいつは、ほっとこ。
ソラヘンとおんなじ匂いがする男だ。ソラヘンとは、あたしの両親の親友(?)であり、悪友、そしてド変態の天才外科医だ。
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