第1章 春・乱・漫!

14/22
前へ
/717ページ
次へ
試合(オレ)を見ろーって言いたいのかな? あははは。 ごめんごめん! 「あいつ、相変わらずだよなぁ」 琉路は隣で楽しそうにクスクス笑って、また、手すりに肘をついて身を乗り出していた。 人ごとかよ!! * 試合が終わって、大差で咲也たちの大学の勝利が決まると、観客は今日一番の歓声を上げて喝采を送っていた。その後、選手たちが応援席にやってきて、改めて新入生の自己紹介が始まった。バスケ部員一人一人挨拶していって、女の子たちが咲也を見てギャーギャー騒ぎまくっていると、咲也があたしを見て、 「光莉ー!!」 と叫んで大きく手を振った。あたしはそんな咲也を見て思わず「ゲッ?!」と呟くと、驚いて硬直してしまった。そこにいる女子たちが、みんなあたしをギロッと睨みつけてくる。あたしはもう、そっちを見れない。 怖い。やだ。女、怖い…!! 「ひーかーりーーー!!」 咲也は構わずにそう叫ぶと、あたしはウッと思いながら、とりあえずコクコクと頷いてみせた。 「光莉ー!!浮気しようぜ!!」 そんな馬鹿なことを言うのは、マッキーだ。あたしは思わずマッキーを睨みつけると、マッキーはあたしを見て、 「めちゃおこー!!」 と言いながらあたしを指差して笑っている。 あいつは、ほっとこ。 ソラヘンとおんなじ匂いがする男だ。ソラヘンとは、あたしの両親の親友(?)であり、悪友、そしてド変態の天才外科医だ。
/717ページ

最初のコメントを投稿しよう!

209人が本棚に入れています
本棚に追加