第1章 春・乱・漫!

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あたしはこの春から大学生です!なので、今回イメチェンというものをしてみました。 髪の長さは肩甲骨あたりまで。そして、生まれて初めてデジタルパーマをかけてみた。耳の辺りから波のように髪がカールしていて、軽い感じ。ヘアスタイルの画像を見せて、「こんな感じね?」と戸坂さんに頼んだけど、予想以上にカッコいい! 一緒に美容院に来くれたのは、お母さんだ。お母さんはカットだけだったから先に終わって、窓際の椅子に座って待っててくれたけど、あたしが終わったことに気がついて、 「光莉、終わった?」 と言って歩み寄ってきてくれた。あたしは鏡を戸坂さんに返してゆっくり立ち上がると、 「お母さん、どうっすかー?」 と言って髪を軽く手で靡かせた。 「おおっ!イイ!!なんか別人!大人!雰囲気がガラッと変わったわね!!」 お母さんは興奮してそう言いながら、あたしの周りを見回して、 「すごーい!素敵!!」 と言って瞳をキラキラさせている。お母さんも同じくらいの髪の長さだけど、お母さんは大体ストレートだ。 「お母さんもパーマかけちゃえばイイのに。おばあちゃんもよく、パーマかけてるじゃん?」 あたしはそう言って微笑むと、戸坂さんがあたしのベージュのジャケットを持ってきてくれて、あたしの背後でジャケットを広げている。 「雪子さんは、いきなりのイメチェン、怖がるんだよねぇ」
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