第1章 春・乱・漫!

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「ここに、美容院帰りのイイ女、発見して」 「あら。浮気?浮気なの?奥様にチクッちゃおっか」 「じゃ、車に乗ってみて。浮気かどうか…」 理が微笑みながら言うと、雪子もクスッと笑って助手席に乗り込んだ。と同時に肩を抱き寄せられて、 「トリートメントの匂い」 と雪子の髪の匂いを嗅いで、額に優しく口付けると、雪子は理を見つめて嬉しそうに微笑んだ。 「早速、マーキングするのねぇ」 「当たり前」 二人はゆっくりと唇を近づけていった…。 これ、通常運転デス。 * あたしは、坂井光莉。 今年、大学生になりました。 自宅から通学に40分くらいかかるところにある大学に通っています。学部は、食物栄養学科。食物学専攻だ。高校まで続けていた剣道は今はやめて、料理、栄養学を学ぼうと思っている。あたしも、いつかお母さんやおばあちゃんと同じように料理に関する仕事をしたいと思っている。 お母さんは、坂井雪子。料理研究会にも所属していて、前は料理教室で働いていた。お母さんの料理教室を何度か見学していたけど、すごく楽しかったんだ。小さい頃から、お母さんの料理する背中を見てきたから、あたしはいつかお母さんと肩を並べて一緒に料理したいって思った。味には自信がある。食べることは昔から大好きだ。
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