最終話 未来は……

6/14
前へ
/717ページ
次へ
俺の前にもちゃっかりプリンが置いてあって、俺はとりあえずスプーンを持ってプリンをひと口食べて、「甘ウマ」と呟いて微笑んだ。 「今度みんなで会える時は、俺も彼女、作ってこよ」 迅にしては珍しい発言だ。津門ははなちゃんと顔を見合わせて、 「私たちも、次に会う時は、まさか、…まさか、かもよ、ね??」 とはなちゃんが言うと、「ねー?」と津門も言いながらイチャイチャしている。祥生は微笑んでケーキを食べながら、 「楽しみだな!大地。お前が刑事になった時は、またみんなで集まろう。その頃は、酒も飲める年だし」 と俺の顔を覗き込んで言うと、俺は祥生を見つめてなんだか胸が熱くなってきた。 「おうよ!」 「大地。早く刑事になれよ」 「なんかあったら、頼るからな!」 「悪い奴、どんどん捕まえちゃって!!」 「大地くんなら、絶対になれるよ!刑事!!」 佑里果もそう言って「うふふっ」と笑っている。俺はフッと微笑んで佑里果を見てからみんなを見回して、 「頑張るよ!!とにかく、暫くは俺も休日なんかないから、連絡はあんまり返せないかも。みんなも、体には気をつけろよ!!」 と言うと、みんなは「おうー!」と声をあげて笑い合った。 こいつらと過ごした学生生活は、間違いなく楽しかったよ。津門は一番付き合いが長い。迅は同じ道場で仲良くなって、いいライバルでもあった。祥生は別の道場で、大会のたびに顔を合わせていたライバルだった。
/717ページ

最初のコメントを投稿しよう!

209人が本棚に入れています
本棚に追加