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母さんに言われると、俺はなんだか少し照れて横を向いてしまった。
「そういえば、第三上野署にいた立原、警察学校で講師してるだろ。どうだった?」
親父が言うと、俺はまた正面を向いて、残りの味噌汁をゆっくり飲んでいくと、
「あぁ。立原さん。評判良かったし、教えるのめっちゃ上手。人気あったよ。でも、言うこと聞かないような奴らにはブチ切れて、怒ったとこはめちゃ怖かった」
と思い出しながら言うと、親父はプッと吹き出して笑った。
「あいつ、昔からキレると厄介なんだよな。お前のことは、バレてた?」
「うん。瞬殺でバレて、何故か「プッ」って笑われたんだけど」
俺が言うと、親父と母さんは顔を見合わせて笑い合っている。
「交番勤務か。どんどん犯人とか、何か事件が絡んだりしたら、構わずに検挙していけ。刑事になるには、何事もなく毎日をのほほんと過ごしてたらダメだ。誰より先に動け。いち早く刑事になるには、それしかない。で、上にどんどん食いついてけ。コネなんか使わせないからな」
親父はそう言ってまた俺を見つめると、俺はため息をついて頷いた。
「分かってるよ。当たり前だろ。むしろ、あんたが裏で手を回したら、許さねぇからな」
「その言葉を聞いて、安心した。独身寮に女連れ込むなよ」
「あんたじゃあるまいし」
「……まあ、要は、見つからなきゃ…」
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