きっとあなた フェチ 8

1/1
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
❁ Ⅻ ❀✿❁❀ ✿ ― 「 … うん …  じゃ これもね … 」           「 はい …」 先生の云うとおり 責任者はリストを纏め それは流れ作業の様に 私のプロフはスグ 閉じられた … ― 私  美しくなりたくて … メイクしたりカラダを整えるのは " 自分磨き ” で それは ただ 自分を高めるための その中の そのひとつ だけの事 … だから … これは チガウ ― … ん? この僕から   声かけられたら   嬉しいんじゃないの?    君みたいな娘はさ …  ̄     … 勝手に決めるな! … ― 「… これ 呼び出すときの       僕の番号だから …」 ― …ザワザワ…        …ザワザワ…         …ザワザワザワ… 「 ねぇ! 着替え終わった?   次の出番までは        どのくらい?」 「 はい!    あと20分です」        「 … そう …」 …パン! パン… ココでは … " この女性責任者の  手をたたく音 ” が 合図で … ギュウギュウ詰めの バックヤードの控室に この責任者は2歩 3歩進み …      それは      立ち姿が勇ましく 隙も無く          凛としているから … そこから発せられた声は 強く 美しく 控室中に響く … 「 さ! みなさん 急いで       整えてください!」 「 はい!」  「 はい!」 「 はい!」 「 はい!」 … …バタバタバタ      …バタバタバタ       …バタバタバタ          …バタバタバタ … 今日は  先生の作品の発表会1日目 その 作品を来場者のお一人お一人に みていただくために        集められた 私たちは 先生の 駒の様に 動かされる者たち 今日から4日間  新作発表会は ココで行われる … その 仕事をする為に その 駒たちが集められている控室では 先生の作品をちゃんと見て頂くために      それぞれが 自分たちの      仕事の準備をしているけれど      ココに集められた駒たちは その仕事以外にも 先生を喜ばせるため の 事にも       努力する? … そう … 先生の作品がより良くみえる様に? 私たちは先生によって選ばれた者たちで それをプライドにココでは    自分たちの美しさにも磨きをかけ  控室では皆さん 自分のカラダ その      顔を美しくメイクしていく … それを 先生は …  離れた自分専用の控室から この施設の中 いくつも設置済み の camera を通して チェックしている それを …       私たちは承知しているし その様に先生に扱われても    私たちは それが仕事だから …  たとえば  ココの施設内ならどこでも 表の会場だけではなく 女性トイレ前の 通路 控室 の  バックヤードまでも どこに居ても  先生からだけではなく たとえ誰からだって " あ! さっき出てた人だ “ っと その好奇の目? で 見られても    私たちは 駒だから    それは 文句は言えないけれど … ココでの駒は 分刻みで管理され  それでも急に先生に呼び出され            動かされる …  先生に指示されるままに     盤上で動く 無心の駒の様に … °˖✧*.✧˖° 私たちは 先生に選ばれたのだから   この先生のその勢力下にあって … それぞれを個々に見れば まだ なにも力のない者たち かもしれないけれど … なら … この先生に 選んでいただいたから こんな大きな輝ける場所に立つ事が できている だけ だから? けっして驕ることなく 素直に 先生の手のひらに 皆 乗せられて … その中から また 選ばれた者がその指 で 挟まれてお客様が待つ表に出される そ! この先生しだい で               だから … その出番を待つ 駒たちは 皆さん 個々に違う 人 なのに その駒になるのを嫌がらずに  もちろん? 控室でも  先生に視られているのを知っている から?  控え中でも 力を抜く事もなく 並ぶ たくさんの駒の中から 自分が 目立つ様にと           華やかに 明るい表情で モチベーションアップして?  鏡の前で自分に磨きをかけながら 皆さん 嬉しそうに 和やかに そのつくられた笑顔を絶やさず 姿勢を正し ちゃんと 整えている それ も? なんか 不思議 な 私 この空間は  表ではなく控室なのに? なんで こんなに 自分を抑えて? 緩むことなく? 常に 準備万端 ゼンゼン 気を抜く事もなくって それじゃぁ …  緊張したままで 息苦しいのに? なんで? 皆さん   そんなに … あ … 皆さんて 謂っても … 髪形も同じ 体型も で … 上げる口角の角度も同じ メイクも同じ それで 全員 同じ様な 笑顔で? そんなに 自分をなくしてまで          つくるの って … ― …パン! パン… 「 次の出番! 15分前!    呼ばれた者 集合して! 」 「 … はい!」 「 はい 」 「 はい …」 「 はい 」 … ―       これが お仕事だから?               でも私       こんなふうにされてっ て … 私は こんなんて 知らなかったから  これじゃぁ … もう 自分の顔を見るのも嫌で  ココには そのために 個々に用意されてた 鏡が あっても 目の前 座った正面にあるけど … ― …パン! パン… 「 さ! みなさん 急いで        整えてください!」 …ザワザワ…  …ザワザワ… …ザワザワザワ… ― はい そう です … いざ 会がスタートしたら 分刻みにあおられて 焦ったワタシは 鏡を覗き込んで   自分以外視界に入らなくて …  だから  両隣の人の気配だけで 周りは見えなくなって … そんなに も " 秒刻み ” で 皆さん動くから 慌ただしくて … ザワザワ感だけは カンジ る から ミョウに私もそれで その世界に入っちゃってて … この異様な? 雰囲気に負けて また    同じ様に流されて た けど … でも なんか … これ 女性だけ なのって … べつに … 女性だけでも だけど 新作発表会の 駒は べつに 女性でなくても … だからもう それも そう思ったら 私 なにかの糸? プツン! って キレ て … この鏡 覗き込む気に なんて  なれない …            だって … ココでの仕事の流れは 今日までに 何度もココを使って 繰り返されたから 皆さん できるけど なに事も? 滞る事もなくスムーズに? これ … その時は私 先生の目も べつに 気にならなかったし ミラレテても なんとも思わなかったけど … それに 女性たち だけでも その時は別に … だったけど なにもかもが? 誰もかれもが? ちゃんと していて … 先生の思い通りに動いていて 皆さん " 選ばれた者らしく ” 美しく 華やかに 活き活きと … でも … 私 … それが 作られ過ぎてて 不自然過ぎて そんなにする?      必要あるのかなって … うん … 女性が美しさを追求するのは その人がそれを望んでいるなら ステキな事だと思うけれど 私も 美しくなりたいし それを求めて努力するし だから この仕事 引き受けたのは  私 自分で 決めた事なのに なんだか いまになって ココ … 女性だけが この仕事をしている 違和感 すごく カンジ て … そう! ほかの先生たちは ご自分たちの会 の staff 集めには 女性だけじゃなく て 男性たちだって もちろんいて! しかも staff をこんなに? 着飾らせて 発表会はしないし … ココの皆さんは 先生の作品を見てもらう仕事を引き受け たはずなのに なんだか 特別に 皆が 先生のために 美しい駒になろうとしている様な?            気がしてきて … 駒は  作品を見て頂くための駒なのに ? その駒を懸命に務めるだけじゃ … ダメなのかなって 私 不思議で だから私は 先生の作品のために この仕事をしているのだから 作品のために自分も美しくなる様には            務めるけれど それ以上には 私は香り立つ事もせず たくさんの駒に紛れて 正しく 皆と同じ様に動き ちゃんと 作品を目立たせて " 個 ” では目立つことなく ココの流れを乱さずに 主役じゃ ないから  大人しめに控え目にしていて … って … そんなカンジの 私は  それで良いと思っていたけど 違うのかな  なん? これ … …ブーブーブー    …ブーブーブー  「・・・・」 ねえ? な に? これ … ど … す る? 本日の最終回が終わり … 皆 帰り支度をしている最中に まるでそれは合図の様に? 先生は スマホ鳴らした の だけど? …ブーブーブー    …ブーブーブー  しかも まだ 始まったばかりの? 初日だけど … で これ? って     ゃ! 驚く … 「・・・・」 ??? ??? ???        もしかして 私 … の?          こんなカンジの態度? 悪い? かな … だから?         なんか … 悪かった?       私 なに? しでかした?  でも? したつもり は ないし … …ブーブーブー    …ブーブーブー           んんん? これ …           ほんと? 私に?  しかも この時間? 仕事が終わって からの?  「・・・・」         て? … …ブーブーブー    …ブーブーブー          これ … 突然 で … なんの前触れもなく? " 先生からの電話 ” 誰からも なにも云われないまま?         なのに …         いきなり        スマホ鳴らされても … …ブーブーブー    …ブーブーブー  … どうしよ …    これ … 恐い よ … 「・・・・」 え----- ?  この番号は さ … この日の朝 知らされてたから 先生からだって判るけど それ …  この番号を この初日 の 朝! 先生から メモで知らされた …         ばっかりじゃん … ― 「… これ 呼び出すときの       僕の番号だから …」 ― から? アノ時が? この? 前触れ? 前置き? ダッタ の かな …       ダッタとしたら       ただ … 「はい!」 って        私 返事しちゃったけど その一言だけで この メモ 渡されただけだし …       それ … なら?           解りづら ぃ … " 呼び出す ” て … どうい う? …       だって 謂われたまま …         私 なにも気にせず         メモ 受け取って          ただ 先生の番号          スマホに入れた けど 「・・・・」              だって … 業務連絡の? って! 思ったから? だけど だから この時間 なら … もう … 違う よね? … …ブーブーブー    …ブーブーブー  え? それに … 「・・・・」      そうじゃん … ただの駒の私に なんて? 直接先生が? なんて … だって 私たちになら そう! 責任者 の 方から!   なら分かるけど … そうじゃん …      こんな事 … だから やっぱ      変 じゃん … 「・・・・」 ― 「… これ 呼び出すときの       僕の番号だから …」 ― ん? で? もしか … 私 それで 往ったら? こんな私なんか じゃ 先生 大物すぎてて なにもできないし  なにして善いのか判らない …           え-----? だって … そうじゃん 先生は すごい方 なのにぃ? … そ う でしょ?… 恐くて 近寄れないくらいじゃん! もちろん この先生は  お仕事がおデキになって …  だから発表会だって こんなに 大規模 に行われて たくさんの来場者も来て               この作品を この日までに ちゃんと 造り上げる ためにダッテ 先生は  その指先から 血が出るくらいまで 手を加えて …  だから こうして ちゃんとした作品になって … だから先生は  皆さんから支持されて … こうして 皆さんが集まり 先生の作品を 優れた秀作として認めて 他と比べれば 高額でもある のに!  今日も 多くのお客様が この作品一つ一つを 選び 求めているけれど …    そうだから でも … ぇ-------!          これ?  でも 私は  頭の中 とっ散らかってて こんな事  ココの こんな密室の中では … だって もう いまさら? かも? だし? だれかになんて       上手く 切り出せない 「・・・・」 …ブーブーブー    …ブーブーブー  私 … 言えないけど! だけど それでも私は  鳴らされても 鳴らされてても! 先生の処には 往きたくない … 「・・・・」 …ブーブーブー    …ブーブーブー  … ど し よ … だんだん … 息苦しくなる! もう やめて ほし ぃ … 「・・・・」 …ブーブーブー    …ブーブーブー  ぁ… まだ だ …         え-----?  先生が平気でこれを 続けているのなら? 先生のお仕事では …  これが? もしかしたら? 普通なのかも しれない? だから  ずっとされてるのかも?  …ブーブーブー    …ブーブーブー  「・・・・」 私は ココで ひとりだけ 目を伏せ 無表情になり  対処? 善処? できないから! そう …  されてる事に 抵抗? して … どうせ いまも 先生に 視られているから … …ブーブーブー    …ブーブーブー  「・・・・」 それにこれ …  バイブ音だけど 周りにも聞こえているはずなのに ? 不思議 … こんなになのに? 誰も? なにも言わない … なら … 皆さんはこれ … この時間にスマホが鳴りだすの 先生からだって? 知ってるの? じゃぁ 私 … このまま いつまでも 鳴らしっぱなしで そう 私がしていたら いままで 無反応だった 両隣だけじゃなく ココの皆さん ど かな? ぁ-------! " お願いしま ----- す!” これに気づいた皆さん が ! いままでと? チガウって思って? 皆さんが それで いつもと? チガウ 動きになったら?           で? この中にも?         私 以外にも  これが " チガウ ” と 思う人 ココに居るかもしれないから!    それ みつけるために… …ブーブーブー    …ブーブーブー  「・・・・」 …ブーブーブー    …ブーブーブー … … だから いまも  鳴り続けている私のスマホ … それで? とうとう  今までは無反応だった 私の隣のコが やっぱり反応した 「 … ねぇ … なんで …  出ないの ? それじゃぁ …  自分から " 敵 ” 作るよね …」       ??? ??? ???
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!