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「左くんは、この童謡ご存じですよね?」 「はい。知っていますよ。でも、それがどうしました?」 「歌詞をじっくり思い巡らして、頭に浮かぶ映像を解析してみたいと思うの」 「司さんがこの度持ち出している慣用句が関係するということですね?」 「そっ!(^^)/」 「わかりました。今日はお付き合いしましょう。  では、まず歌詞を思い起こしてみるに、舞台は“ある日の森の中”ですね?」 「その通りですよ、左くん。散策していたお嬢さんが突然、くまさんに出会うのですよ」 「“花咲く森の道”ですから、季節はおそらく春なのでしょうね」 「一番素直な解釈ですね。さてさて、ではここで脳裏に浮かんでいるビジョンを一時停止してみてください。お嬢さんとくまさんが対峙しているシーンです」 「『対峙』って、決闘でも始まりそうですね(笑)」 「左くんの頭の中では、どんなビジョンになってますか? ここでどんな絵が浮かんでいるかで歌全体の捉え方が変わってきますよ」 「え? そうなの?」 「大事なところです。ではでは、まずは、お嬢さんのビジュアルは?」 「えーと、私としては……うーん、歌の後半で身に着けていたアクセサリーが明らかになりますが、そのことを鑑みると、そうですね……カントリー調のいでたちの10代半ばくらいの少女が浮かびますね」 「ふむふむ、わたしも同じ感じよ。わたしたち、やっぱり気が合うわね♡」 「……多数派のイメージだと思いますけどね」
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