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「そしてそして、対峙する『くまさん』は名前からして、無精髭面で頭髪の寂しくなった腹巻ステテコ姿のずんぐりむっくりオヤジをイメージするわよね? ね、これも同じ? ね?」 「ん? 相手は熊でしょう? どうして『オヤジ』になっちゃうんですか?」 「“名は体を表す”って言うじゃない?」 「……あぁ……『くまさん』を固有名詞と捉えたわけだ。え? 本気で?」 「『くまさん』の正式名は、“熊五郎”か“熊吉”ってところね。わたし、そう思うことにしているの」 「ほぅ、決めつけてるんだ。……と、いうことはですよ司さん、この歌は、単に、そう、ただ単に、森の中で顔見知りの女の子とずんぐりオヤジがばったりと出会った話ということですね?」 「『単に』ではないでしょうね。このオヤジは、昼間っから酒を飲んでるわけです。おそらく一升瓶を握り、直に安酒を呷っていることでしょう」 「今日も、司さんのそのぶっ飛んだ空想力は絶好調のようですね?」 「何かおっしゃいました?」 「あ、いえいえ、独り言です。続けてください」 「あそう。ふーん、まいっか。続けますね。えー、くまさんの持つ一升瓶の酒は瓶底5センチくらいになっていることを想像できます」 「司さんは、何を根拠にくまさんが酒を呷っていると思うわけ?」
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