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☃ YUKINEKO ☃
"猫カフェCAT愛らんど"
猫たちは開店前に総出で雪かきの作業をしていた。
三毛猫のミイコがよろよろしながらスコップの雪を宙に飛ばすと、白猫のコマに見事命中したのだった。
「ミイコさん……あんたどこに雪投げてんのよ! 冷たいじゃないの!」
ミイコはすぐさま拝みのポーズをして「ごめんなさい! コマさん太ってるからそこにいるのに気がつかなかったの」と必死な素振りで弁解した。
「……それを言うなら白くて分からない、でしょうが。なんで体型が関係あるのよ」
コマが歯ぎしりをしながら言うと、ミイコは滑った口を押さえた。
コマが無言で雪玉を作る。そして鬼のような形相でミイコにめがけて思いきり投げ放った。するとミイコのすぐ隣にいた茶々丸の腰に誤って当たってしまったのである。
茶々丸は呻きながら雪の地面に膝をついた。
「もうっ! ちゃんと仕事しなさいよふたりとも! お店が始まっちゃうじゃない!」
「やかましい! いい子ぶってんじゃないわよ! この真っ茶色猫めがあ!」
コマが歯を剥き出しにして吠えた。
「な、なんですってえ!? これでも喰らいなさい!」
茶々丸がコマよりデカい雪玉を三つ投げ返した。
「あらヤル気!? アタシに勝てると思ってるの!」
二匹の争いのなか、ミイコが表情を歪める。
「やめて……ああ、お腹が……ちょっとおトイレに……」
ミイコは神経質な性格なので、お腹が少しばかり弱いのだ。
その時――。
屋根に積もっていた雪が大きな音を立てて地面に落下し、猫たちを一瞬にして埋め尽くしたのであった。
(おわり)
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