龍神のモリヤさんと嫁(生贄)の私

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「お主に頼むしか、もう手立てがないのじゃ、奈々」  私のところへやってくるなり、村長(むらおさ)は泣きながら頭を下げた。  村長にとっては可愛い孫娘にあたる私は、生まれた時から可愛い可愛いと言われて育ってきた。  髪は烏の濡れ羽色をしてキラキラと艶めき、透明感のある白い肌、整った目鼻立ち、どこを見ても宝石のような美しさと言われ、贔屓にされ続けてきた。  村の若い者は必ず一度は私を好きになる。相手にされないと分かると仕方なく他の女のところへ行くけれど、ちょっと私が微笑みかければすぐその女を捨てて私に金品を捧げる有様だった。  自分の美しさが怖い。いつかこの美しさに身を滅ぼされる時が来るのではないかと思っていた。  けれど、まさかこんなことになろうとは。 「お主しかもうおらんのじゃ。村のため、人身御供になっておくれ」
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