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呼吸が浅い。トイレの個室の冷たい壁で頭を冷やしたい。とりあえず一通り精神を安定させなければ。僕は扉にもたれかかって目を閉じる。
久しぶりに右腕が痛い。
───僕には、ミサトがあんなにも自分を責める理由が分かる。
ただ単に、自分を助けるために他人が夢を諦めた、それよりももっと重い理由だ。
僕があのときなぜそんな決断を下したのか、今でも後悔している。
だからこうして今も彷徨っているんだ。
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