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2階でお店の経理やこまごました雑務を済ませてくるから帰る段階になったら呼んでと言ってマキナさんは階段を軽やかに上がっていく。
拓海がニッと口角を上げるから、私もつられてふきだしてしまう。
店内にかかっているBGMが次の曲に移って、私は「あ、」と声が漏れた。
「ん?」
「これ、夏希くんが中学生の時よく聴いてた曲だ」
「amoの……『花束について』?」
「そういう名前なの? 歌ってる人もタイトルも初めて知った……」
「夏希、洋楽好きだもんな。ついでに言うと、みのり、これめちゃくちゃラブソングだから」
「え?! 夏希くん、学校行くまでの道でよく口ずさんでたよ」
「あの夏希が?」
「そう。夏希くんがPCやギターで曲作ったり、弾いたりしてるのは見てたけど、口ずさむのは珍しいなぁって思ってたからよく覚えてる」
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