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「本当の本当の本当にいいんだな」
念を押して再度拓海が聞く。
そんな自分の仲間を一瞥し夏希くんは、
「子供か」
余計な一言を寄越したので、拓海があからさまに眉を寄せた。
「はぁ? 今、なんて?」
「ガキって言った」
「ちょ、ちょっと、夏希くん」
慌てて間に入ろうとすると、玲音がパンパンと2回手を叩いた。
「はいはい、喧嘩しない。僕らもう高校2年生でしょ。わきまえようね」
「……」
「……」
ピリリっとひりついた空気が拓海と夏希くんの間に流れる。
おろおろする私に対し、玲音は流石慣れているのかとりあえず2人を黙らせ、みんなに食後のお茶を注いであげている。
……こんな調子でファンライブ、大丈夫なのかな。
全員が食べ終わり、食後の後片付けをするためキッチンに立つ私の後ろを、とことこ雪がついてきた。
「みのり、俺手伝う!」
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