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「雪、いいいの? 休んでていいよ?」
「大丈夫! お手伝いする」
予洗いをしていた私の隣に立つと、雪は、
「毎日みのりが洗い物してくれてるの見たら、俺も食器洗いのコツ掴んだよ」
にこにこ笑いながら言った。
「頼もしいなぁ」
台所用スポンジに洗剤を垂らして泡立てた雪は、以前と違って、本当にお皿を洗うのが上手になっていた。
雪がお皿をスポンジで擦ってくれるので、私はどんどんそれらを水ですすいでいく。
「安心してね、みのり」
「ん?」
「拓海と夏希。あそこまでぴりつくのは久しぶりだけど、シクスト結成時はいつもあんな感じだったし。玲音も俺も慣れっこだよ。だから、みのりは気に病まないで。仕事に……ファンライブに影響が及ぶ事は絶対ないから!」
こっそり耳打つ雪が、「気にしてたでしょ?」と尋ねる。
「そっか。雪が保証してくれるなら、絶対大丈夫だね」
「うん! なんだかんだ2人ともプロ意識強いし。喧嘩の数だけ、仲直りの仕方も心得てるしね」
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