170人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも寂しいな。2日間もみのりと離れ離れになっちゃうの」
「雪達はファンライブがあるから、2日なんてあっという間に過ぎちゃうんじゃないかな」
「そうかなぁ。いつもマンション帰ってくると、みのりが『おかえり』って言ってくれるの、すごく嬉しいんだよね。あれないと、なんか嫌だ。ねぇ、拓海もそうでしょ?」
「は?」
「みのりに会えないと寂しいよね」
拓海が一瞬口ごもる。
「あー……。まぁ、そりゃ」
雪が目をぱちぱちさせた。
「なんだよ?」
「拓海が素直だ。さっきもだったけど、拓海ってみのりに関する事はやけに素直だよね」
「……別に普通だけど」
「みのり、拓海もすっごく寂しいって。寂しくて眠れないかもしれない! どうしよう」
「寝れるわ」
間髪置かずにつっこんだ拓海に雪がきょとんとして首を傾げる。
「え? 今のは拓海じゃなくて、俺の事言ったんだよ?」
「……」
おもむろに冷凍庫をあけて、拓海がプラスチックの専用スコップで氷をグラスに入れる。
「みのり、炭酸水のストックってどこ?」
「あ、こっちだよ」
「ねぇ、拓海。なんでそんなに耳真っ赤なの?」
最初のコメントを投稿しよう!