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じっと拓海を見ていた雪が不思議そうに言う。
その視線を断ち切る様に拓海は私達にくるりと背中を向けた。
「……俺、明後日の準備してくる」
そう宣言して2、3歩進みかけた拓海が、不意に足を止める。
「どうかした?」
「メッセージ」
「うん?」
「俺も送るから」
それだけ言うと拓海は足早に部屋へ行ってしまった。
「どうしたんだろ、拓海」
ミネラルウォーターと炭酸水のストックを冷蔵庫に入れる作業を手伝ってくれながら、雪が視線を私にとめた。
「あれ、みのりも顔赤い。もしかして2人とも、風邪?」
「ち、違うの。ちょっと暑くなっちゃって」
パタパタ両手で火照った顔を冷ましながら、雪に笑顔を返す。
雪は私がいなくて寂しいと言ってくれるけど、私だってみんながいないとすごく寂しい。
拓海や雪と違って胸の内を言えないまま1日が終わる。
そして、『明後日』は飛ぶようにやって来た。
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