song11

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song11

「じゃあ、いってくるね」 玄関で玲音が片手を上げる。 他のメンバーもそれぞれ肩に2日分の荷物をさげている。 「うん、気を付けて。いってらっしゃい」 青林の制服を着ているのは私だけで、今日はみんな朝から私服だ。 「みのりちゃん、何かあったら連絡ちょうだいね。いつでも携帯に出られるよう、マメに確認しとくから」 「白橋さん」 はい、ありがとうございます。そう返すと、白橋さんはにっこり微笑んだ。 この間、夏希くんがそれとなく白橋さんに、シクストについて何か最近マスコミにリークされた情報はないか確かめてくれた。 白橋さんによれば今のところ、前回都内で行われ好評を博したファンライブと今回新たに他県で開催されるこのライブの話題でマスコミ界隈は持ち切りらしい。 ひそかに胸を撫でおろしたけれど、だとしたら亜理紗ちゃんのあのセリフは何だったんだろう。 『一部のファンの子達の間で噂になってるよ!』 もし、それが嘘だとしても現に彼女は拓海と私のツーショットを持っていた。
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