song11

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今はまだ、何もかもが安全だと油断してはいけない気がする。 「じゃあ、みんなそろそろ出発しようか」 白橋さんの一声でみんながこちらに向かい、手を振ってくれる。 「すぐに帰ってくるからね! みのり、俺帰ってきたらグラタンが食べたい」 「え? 今ここでリクエストするの有りなの、雪。じゃあ僕、チーズハンバーグが食べたい」 「ちょっと待て。ずる過ぎだろ。みのり、俺はチキン南蛮がいい」 「ストップストップ! 何みんな、朝からみのりちゃんを困らせてるの。しかもメニューに統一感ないし」 白橋さんが慌てた様子で止めに入る。 「夏希は?」 悪びれる様子もなく雪が夏希くんに尋ねると、夏希くんは数秒口をつぐんで。 「……エビチリ?」 呟いた。 「本当に統一感ないな! みのりちゃん、気にしなくていいからね。みんながいない間に羽を伸ばしてね」
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