song11

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「えー。それじゃ俺達がめちゃくちゃわがままみたい」 「めちゃくちゃわがままでしょ。自覚しようね」 白橋さんが腕時計を見た。 「名残惜しいけど、そろそろ出よう。じゃあ、みのりちゃん、気を付けて学校に行ってね。無理して4品作らなくていいし、のんびり自由を満喫して」 「俺グラタン食べたい」 「僕チーズハンバーグ」 「チキン南蛮がいい」 「エビチリ」 「……もう、連れてくね」 白橋さんに急き立てられて4人がドアの向こうへ出ていく。 手を振ってみんなを見送る最中、 「あ! 忘れ物」 小さく叫んだのは雪だった。 「忘れ物? 取ってこようか?」 「ううん。みのりに対して忘れ物」 家の中へ足を向けかけた私を雪が止める。 「私?」 にこっと口角をあげて雪が両腕を広げた。 視界が雪で満たされる。 「行ってくるね、みのり! 頑張るから応援してて」 背中に回された手にぎゅっと力が加わって、反射的に私は雪を抱きしめ返した。 「うん! 応援してるね。楽しんできて」 雪は満足げに「充電完了!」と歌うように言うと、私から身を離す。
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