1章

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「で。ライナス、話って何?」 私とシャルが2人同時に呼び出される時は大抵面倒くさい事を頼まれる。 「ああ、最近王都にカジノが出来た事を知ってるか?」 「もちろん。興味はないけど」 カジノ・ゴールドコースト。世界各国にカジノを経営するカジノ王、リアム・ウェルドがとうとうこの国にまで進出してきたと話題になっている。 ゴールドコーストはホテルやバー、レストランも併設されていて、価格帯は超がつく程高級。 非日常を体験するにはピッタリの場所だ。 「俺の代わりに2人でそのカジノの内部を探って来て欲しい」 「……2人、という事は荒事になるかもしれないのか」 シャルは深いため息をつく。 「まあな。ゴールドコーストには黒い噂があるんだ」 「黒い噂?ありがちだけどドラッグの売買とか?」 「おー、当たりだ。あくまでも噂だがゴールドコーストはここ数年で大きく成長し過ぎている」 「……確かに」 リアム・ウェルドの名をよく聞くようになったのはこの5年くらいだ。
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