1章

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「既にスパイは1人送り込んでいるが、怪しいと思われるバックヤードの倉庫の警備が厳重でな」 「どれくらいだ?」 「24時間体制でウェルドの近しい部下にしか警備をさせていない。中に何が入っているかと尋ねてもお前には関係ない、の一点張りだ」 「なるほど。骨が折れそうだな」 「ああ。そこで、お前達2人の出番だ」 ライナスは懐から地図を取り出し、テーブルに広げる。 「バックヤードに潜入し、倉庫の中を見てきて欲しい。俺はこの国に不安要素を持ち込む者を絶対に許さない」 「……」 骨が折れそう、所の話ではない。 24時間の警備体制なんてほぼほぼクロとしか思えないのだが。 「やり方はお前達に任せる。警備に加えてオートロックを解除する必要もあるからな。シャル、頼むぞ」 「ああ」 見付かれば、命はないかもしれないな。 気を引き締めなければ。
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