1章

9/45
前へ
/97ページ
次へ
◆◆◆◆ 「大佐、お手をどうぞ」 「……ありがとう。ここでは役職名で呼ばないこと」 身バレは極力したくない。 「了解です。セツナさん」 「……」 ドレスアップした私達は仮面をつけ、ゴールドコーストに足を踏み入れた。 入り口の前には翼の生えたライオンの彫刻に、豪華な噴水がライトアップされている。 「いかにも、カジノって感じですね」 「そのいかにも感が重要なのよ」 「まあ確かに」 当たり前だがカジノ内はプライバシー保護の為撮影禁止だ。内部を頭に叩き込まねば。 「とりあえず、中に入ったら端から端まで歩いてカジノ内を一周する。それが終わったら遊んで良い」 「え、良いんですか?」 「もちろん。今日は様子見だけだし多少はゲームもしないと逆に怪しまれる」 それと潜入しているというスパイにも軽くコンタクトを取りたい。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加