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「大佐、お手をどうぞ」
「……ありがとう。ここでは役職名で呼ばないこと」
身バレは極力したくない。
「了解です。セツナさん」
「……」
ドレスアップした私達は仮面をつけ、ゴールドコーストに足を踏み入れた。
入り口の前には翼の生えたライオンの彫刻に、豪華な噴水がライトアップされている。
「いかにも、カジノって感じですね」
「そのいかにも感が重要なのよ」
「まあ確かに」
当たり前だがカジノ内はプライバシー保護の為撮影禁止だ。内部を頭に叩き込まねば。
「とりあえず、中に入ったら端から端まで歩いてカジノ内を一周する。それが終わったら遊んで良い」
「え、良いんですか?」
「もちろん。今日は様子見だけだし多少はゲームもしないと逆に怪しまれる」
それと潜入しているというスパイにも軽くコンタクトを取りたい。
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