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それから今まで捨てられず、売れず、自宅の車庫に止めてある。おかげで車を置くスペースがないので自転車通勤だ。家が職場から遠くないのは、唯一のすくいだった。
「今日は会社に勤めて、5年目か…。あの自転車も勤め始めて買ったんだよな…。ちょうど自転車の名前に5って入っていることだし (もっとも15に入っている1なのだけど) 捨てる潮時かもな」と朝ご飯を食べながら思った。
…余談だが今日のメニューはサバの塩焼きと豆腐だ。サバの塩焼きは近所のコンビニで売っていたのをそのままたべているし、豆腐は近所に豆腐屋があるので毎日食べている。妻と子供がいないので楽なものだ。
その日はシビキアで通勤した。もし捨てたとしても、一台は取っておこうと思った。
オレが勤めている古本屋兼レンタルマンガ屋は「善鉱書店 古本、古雑誌 」というお店で (古本…とかも店名だ。) 、そこの店長をしている。
前の店長に店を渡されたのは驚きだった。(そのころ従業員は自分だけだった)
だが最近は「BOOKON」なんてものが出てきて普通の古本屋は稼げない。もう閉めなければ生きていけない。本当は、胸がしめつけられるほど悔しいが仕方がない。 …決心がついたのは言うまでもない。
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