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「じゃあね、美千花。つわりが落ち着いた頃にまた会おうね」
ネット情報をみる限りではあと数週間もすればこの辛い症状から解放されるはずだ。
結局アイスクリームひとつまともに食べられなかった美千花は、蝶子に物凄い心配をかけてしまった。
水分はちゃんと摂れているし、家では〝吐いてもいいや〟ぐらいの気持ちで食べているからか、外出したときよりは色々口に出来ていると思う。
基本はフルーツや……今日みたいにアイスなど、口当たりのいいものに逃げてしまう美千花だったけれど、本人が思うよりもかなり、律顕に心配をかけているようで。
ここ一週間くらいは食事の支度をするのもニオイにやられてキツくて、律顕に不便な思いをさせてしまっている美千花だ。
なのに仕事で結構帰宅時間が遅めな律顕は、外で食べて帰ってくれていいのに、それをすることを潔しとしなかった。
「僕は美千花を一人にしておくのが凄く心配なんだ」
そう言ってデリバリーを頼んだり、どこかで買ってきたものを食べたり。
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