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「少し」
小さな声でボソリと告げたら、
「もし便通がなくてしんどくなったら遠慮なく言ってね。あと、副作用でまた気持ち悪いのきちゃうかもだけど、しばらく飲み続けてたら落ち着くはずだからそこは様子を見てね」
優しく微笑まれて、美千花は肩の力がふっと抜ける。
「じゃあ、エコーで赤ちゃんの様子を見てみようか」
伊藤医師が言って。
また下着を脱いで下をさらさないといけないのかと思ってギュッと身構えたら、
「今日はお腹からのエコーだよ」
言われて、美千花はホッと胸を撫で下ろす。
お腹を出すのも恥ずかしいことではあるけれど、カーテン越し、あられもなく脚を開いて下腹部を明け渡すよりはよっぽどいい。
前の健診の時に、経腹エコーに切り替わったら律顕にも動いている赤ちゃんの姿を見せてあげられるかなと思ったのを思い出して、美千花は胸の奥がキュッと締め付けられた。
「ちょっと冷やっとするよ〜」
伊藤医師の言葉に、美千花はコクッとうなずいた。
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